自己相関を持つ価格モデルと線形需要モデルによるサプライチェーンのダイナミクスと経済性 (Supply chain dynamics and economics based on autocorrelated price models and linear demand models)

Abstract

本研究は,価格変化に需要量が反応する線形の需要量モデルを想定し,サプライチェーンのダイナミクスと経済性を数理的に解明することを試みたものである.市場価格は自己相関を持つAR(1)モデルとし,需要量は直近の二つ(現在と一期前)の市場価格の加重平均値の影響を受ける線形モデルとしている.これらの前提を置いた場合,最終的な需要量モデルはARMA(1,1)モデルとなることを見出した.つまり,線形の需要量モデルはボックス・ジェンキンス型時系列モデルに収斂する場合があることを示したことになる.さらに,直近の二つの市場価格の重みの違いが組織の利益にどのように影響するかを数値分析により示した.Order-Up-To(OUT)ポリシーを想定した上で利益関数を設定し数値分析を実施した結果,価格変化に鈍感な製造業者であるほど(予想に反して)利益が高くなることを見出した

Publication
Japan Industrial Management Association 2023 Spring Conference, 3rd-4th June, Aoyama Gakuin University, Tokyo, JAPAN, 2pp